春日部
狭窄性腱鞘炎(ドゲルバン病)について
こんにちは。
まちの整骨院春日部東口です。
今回は狭窄性腱鞘炎(ドゲルバン病)についてご紹介します。
腱鞘炎という言葉はよく耳にすることがあります。
親指の付け根に出る痛みを『ドケルバン病』と言います。
あまり聞いたことのない病名で知らない人の方が多いでしょう。
近年では、「スマホ腱鞘炎」とも言われるようになりました。
【病態】
ドケルバン病とは、親指と手首(手関節)を繋いでいる2本の腱「短母指伸筋腱」「長母指外転筋腱」や、
その2本の腱を覆うトンネルのような「腱鞘(けんしょう)」が炎症を起こしている状態です。
【 短母指伸筋腱 】主に母指を伸ばす働き
【 長母指外転筋腱 】主に母指を広げる働き
【 腱鞘 】腱が浮き上がるのを防ぎ、滑らかに動くための滑車のような役割をする。
この2本が通るトンネルのようなもの
【原因】
手の使いすぎやスポーツや指を良く使う仕事の人にも多いのが特徴です。
妊娠出産期の女性や更年期の女性に多く生じます。
妊娠・出産時期:20~30代
妊娠を継続させる働きをする、プロゲステロンの分泌が多くなります。
腱鞘を収縮させる作用があるため、このホルモンの増加により腱の通り道が狭くなり、
腱の滑走が悪くなって、炎症を起こしやすくなります。
〇授乳や沐浴で赤ちゃんの頭を支える時など、親指を広く開く動作を頻繁にすることで、親指に負担がかかる
更年期:50代~60代
更年期にはエストロゲンが低下
組織を滑らかに保つという作用があるため、この働きが低下すると腱や腱鞘、神経の周りにある滑膜(かつまく)
というところが炎症を起こして腫れやすくなります。
〇閉経に伴うホルモンバランスの変化〇家事による手の酷使
その他、よく手を酷使する職業の方に多く見られます。
・料理人・美容師・ピアニスト・テニスプレーヤー・ゴルファー・パソコンのキーボード操作をよくする人
・スマートフォンの操作を片手で行っている人
【症状】
〇親指を動かした時の手首の痛み
〇手関節の腫れ
〇力が入らない
【診断】
【圧痛(押さえると痛い場所)】
手首の親指側を押さえると痛みを生じます。
症状が強くなると熱をもって腫れたり、痛みで母指が動かせなくなったりします。
【検査方法】
Eichhoff(アイヒホッフ)テスト:
親指を軽く握り、手首を小指側に強く曲げると手首の親指側に痛みを生じます。
また、この状態で母指を伸ばすと痛みが直ちに消失します。
【治療】
(病院での治療)
①注射療法:超音波で場所を確認しながら痛みの原因となっている腱鞘の中にステロイドという炎症を抑える薬剤を注射します。
非常に効果が高いものですが、頻回に注射すると腱そのものが劣化する可能性があるためある程度間隔をあける必要があります。
②手術療法:痛みがかなり強く、上記の保存的治療が効果なく、日常生活に大きな支障をきたす場合には、腱鞘切開という、
腱鞘を切り開いて腱の通り道が狭くなっているところを開放する手術を施す場合があります。
③薬物療法:炎症を抑えるような外用剤(湿布や塗り薬)、内服を使用します。
(整骨院での治療)
①局所の安静:サポーターやテーピングなどで親指の動きを制限します。
原因となっている動き(スマホの使い過ぎなど)を控えるようにします。
炎症が強い場合にはしっかりとした固定が必要となることがあります。
②マッサージ
マッサージでの筋肉の緊張を取り除き、柔軟性を高めることで
手関節への負担を軽減し痛みの改善が見込めます。
④鍼治療
筋緊張の緩和や神経を刺激することにより、神経細胞の活性化を促し、本来身体に備わっている自然治癒能力の向上、
血流量の改善などを図ります。
⑤電療
低周波治療器や超音波治療器を使い筋肉の緊張を取り除いたり、炎症を取ることで痛みの改善が見込めます。
【予後】
ドケルバン病は“手を安静にすること”が症状改善の大前提です。
人によって施術効果は多少差がありますが、痛みが出てから早期に治療できることで
症状の改善が見込めます。
「おかしいな」と思った時、症状が良くなっていかない場合には放置せず、できるだけ早めに
治療を受けるようにしましょう。
治療についてのご相談や何かお困りの事がございましたら
お気軽にご連絡ください.
?344-0061
埼玉県春日部市粕壁1-2-8
☎️048-708-2291